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第11回ラオスー日本内視鏡TTT-看護師部門

  • 宇座英慈
  • 55 分前
  • 読了時間: 3分

今回はラオスの内視鏡治療のためのワークショップに内視鏡を介助しメンテナンスを行う看護師の指導に講師としてきていただいた大阪国際がんセンターの臨床工学士の宇座英慈先生にいらして頂きました。途上国では、医療機器が壊れると修理費用が捻出できないためそのまま機器が使えなくなることが多々あり、機器のメンテナンスは最重要事項の一つです。臨床工学士の立場より見たラオス医療事情をお話しいただきます。


2025年10月7、8日の2日間でラオス首都ビエンチャンに位置するセタティラート病院で開催された「第11回 Train the Trainer for endoscopists -The workshop for the advanced therapeutic endoscopy」の看護セッション講師として参加しました。今回のワークショップでは、大阪国際がんセンターの上堂医師と福岡大学筑紫病院の今村健太郎医師による内視鏡診断と内視鏡技術に関するレクチャーが行われ、ハンズオンレクチャーでは上中級内視鏡医、初級内視鏡医、看護師と3つのコースを想定した実技講習が行われました。セタティラート病院だけではなく、がんセンターやマホソット病院からの参加もあり、2日間で内視鏡医11名、看護師10名が研修を終えました。

  私が担当した看護師の方々を対象としたセッションでは、内視鏡機器の構造と日常点検、内視鏡機器の故障原因とその予防対策、内視鏡機器の洗浄時の注意点などについて講義を行いました(写真1)。講義の中では、実際の内視鏡機器に触れながら説明する時間を設け、内視鏡機器の理解を深めました。スコープの機能不全としてアップアングルの角度不足が多く見られます。内視鏡診療ではスコープの回転とアップアングを使うことで、基本的な観察ができます。そのためスコープの4本のワイヤーのうち、アップアングルワイヤーが酷使され、ワイヤーの張りが弱くなることで角度不足は発生します。しかし、内視鏡操作を経験しない看護師の方々にとっては、なかなか理解できない。このようなギャップを埋めることで、正しい内視鏡機器の管理ができるようになります。実際のスコープを用いてこの操作を体験しました(写真2)。ほとんどの看護師の方々は初めての経験で戸惑い気味でしたが、納得できた様子でした。さらに、そんな弱ったアップアングルワイヤーを左右アングルワイヤーで補助する操作も体験しました。またスコープの故障予防対策として洗浄時の注意点について講義をしました。他施設の洗浄場所の写真を見てディスカッションし、様々な故障予防対策を情報共有しました。講義の翌日から取り入れることができる内容でもあり、刺激になっていたと思います。

今回のワークショップは、日ラオス外交樹立70周年記念事業の認定をうけ、在ラオス日本国大使の小泉勉大使がJICAの方々と共に、ワークショップに御来訪いただき、参加者の方々と交流する機会をいただきました(写真3,4)。2日間のワークショップを通してラオスの看護師の方々はとても熱心に、かつ楽しんで勉強していました。インプットだけではなく、得た知識を診療に活かすアウトプットも期待しています。

最後に今回のワークショップの時期は、ラオスの首都ビエンチャンで開催されるお祭り「ボートレース」が数日後に迫っており、メコン川付近のナイトマーケットは賑わっていました(写真5,6)。手漕ぎで競う「ボートレース」は会社や村単位などで競う大規模なレースだそうです。今回は仕事の関係で見ることはできませんでしたが、機会があれば見てみたいと思っています。



写真1(上段左)講義の様子

写真2(上段中)内視鏡を実際に動かす

写真3(上段右)小泉大使のご訪問(モデルを使った内視鏡の経験)

写真4(下段左)小泉大使を囲んで、筆者、講師、主催者、病院長らと

写真5、6(下段中、左)ビエンチャンのナイトマーケットの様子

 

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