医師としての腕を磨く為に
新米の医師だった頃、早く一人前の医者になる為に役に立った事の一つは、現代では非効率的と言われるかもしれませんが、病棟にいる事だったように思います。普通の会社と違って病院は夜でも入院患者さんはいて、急に体調が悪化することがあります。その際には、そこに居れば少なくとも事態の解決方法を見て学ぶ事が出来たし人手も少ないので手伝わせてもらえます。医師の仕事は結構職人っぽいところがあると私は思っているので、ちょっとしたことでもこの人はこんな風に工夫するのかと見るのは勉強になり、また自分の目で実際に見て触れたことは概して忘れにくいものです。最近夜中にお産を見る機会があり、陣痛を待つ間、シンと静まった夜中の病棟で(私自身は病棟を持つ臨床から長らく離れていたのですが)その瞬間を私はすごく懐かしい気持ちで思い出し、私はこの瞬間を好きだったのかもしれないと感じたことがありました。 ただこれを一生続けるのは辛いし、家族を持って用もないのに長く病院にとどまるのは、オススメはできませんが、卵の時は自分の時間が許す範囲でできるだけ積極的になんでも見てやるという心意気を持つこと