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ラオス内視鏡検診-その2-

ラオス国立癌センターと行ったラオスの内視鏡キャンプに参加された阪口先生がキャンプが行われたルアンパパンについて紹介してくださいます。


癌センターの先生達やビエンチャンの内視鏡医の先生とは前回の訪問の時に知り合いになっていたので、初対面とは異なる、どこか旧友に会うような気持ちであった。内視鏡を挿入しやすくするために、ラオス語で「飲み込んでください」は何というのかと、尋ねると「くん」とひらがなで書いてくれたのに驚く。聞けば日本で留学経験のある先生だった。発音を数回練習して、OKとのお墨付きをもらったが、実際には使用する機会がなかった。ちなみに、「飲み込まないでください」は「ぼ~くん」で「ぼ~」はNOTの意味らしい。

ビエンチャンの街は、広い平野の上にあり、盆地という印象はない。メコン川を挟んで向かい側はタイである。フランスの植民地の歴史があるので街の真ん中に凱旋門が立っているのが、不思議ではあるが、なんと言っても仏教国で寺院がたくさん見られる。(図1)シャンパドウ先生が自分の車で、いくつかの寺院に連れて行ってくれたが、私の印象ではバンコクのお寺とよく似ているなあと思った。言葉も似ているようで、ラオスとタイの人は普通に会話を交わしている。

今回はなんと言っても古都で世界遺産の町ルアンパバーンでの内視鏡検診である。いったいどんな町なのか、行く前からワクワク感は否めなかった。まず巨大なビエンチャン駅である。街の中心部から離れること車で約1時間、何故鉄道の駅が空港より遠くにあるのだろう。ラオス語と併記して「万象駅」と大きく中国語で書かれている。英語表記は小さい。(図2)この路線は中国雲南省昆明と直接繋がっており、車内放送も表記もラオス語、英語そして必ず中国語。全席指定の高速鉄道、時速約150キロで走行、約2時間で到着。車窓の風景は水田、丘のような山々が続く。車で走ると8時間から10時間かかるということなので、鉄道がどれだけ最短距離を走っているのかがわかる。ルアンパバーン駅も同じく巨大で、建物もそっくり。そして、同じように町との距離も離れている。多分多くの人は、駅を遠くに作るメリットは何だろうかと、考えてしまうに違いない。

ルアンパバーンはビエンチャン(人口約90万人)に比べると小さな町で、人口は約10万人。メコン川に沿って町が作られている。朝食はメコン川のほとりで、ラオス麺を頂き、夕には屋形船の上で夕日を見ながらビールを頂く。メコン川と町とは切っても切れない関係にある。(図3,4)町には高いビルディングなどはなくて、フランス植民地時代の建物が軒を連ねている。車道から少し外れると、まるで違う時代を見ているような雰囲気である。

平行した通りでは、夜はナイトマーケット(図6)、朝はモーニングマーケットが催され、布や竹細工、色とりどりの果物、コブラ酒、軽食などが並び、観光客や地元の人が密集してアジアの活気が感じられる。食べ物は多彩である。フランスの影響を受けているためか、美味しい。辛いものから甘いものまでレパートリーが広い。タイ料理もベトナム料理もある。ダックの生血に浸された料理だけは口には入れられなかったけれど。有名な飲み物は、なんと言ってもビアーラオ(ビール)で、いたるところで看板をみる。いろいろな種類が発売されており、ビール好きには納得のできる国である。

朝の5時半には僧侶の托鉢がある。(図5)朝早起きをして、お菓子やちまきやご飯が入った托鉢セットを買い、左肩に布をかけてもらい、僧侶が来るのを道の路肩で座って並んで待つ。お寺から出た僧侶が一列になって、歩道を歩いて来るので、托鉢セットから一つずつ、手渡していく。少年僧も高齢の僧もいる。地元の人も自分たちで作った食べ物を手渡している。観光化しているような所もあるが、日本では見られないしきたりであり、国による仏教の違いが興味深い。

季節は雨季と乾季があり、12月、1月は乾期で、気温も一番低く、デング熱の流行期間でもなく、最も過ごし易い時期に検診を設定してくれたようである。ルアンパバーンには国際空港があり、ビエンチャンからはもちろん、バンコクやハノイからも直接入国できる。今回はラオス一番の観光地で、一番いい季節での検診でありました。関係者の皆さまのご協力に感謝いたします。




写真上段左:ビエンチャン市内の寺院、中:ビエンチャン駅、右:メコンの夕焼け

写真下段左:丘の上からルアンパバンを一望、中:朝早くの僧侶の托鉢 左:ナイトマーケットの活気

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